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ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

英語のYes と No

英語のYes と No

すでにご存じのように、英語のyes/ noは、疑問文が否定の時の答えにおいては、日本語の感覚と反対になってしまいます。反対、というより、これらは実はまったく性格の違うものなのです。
ここは日本人の英語学習者にとっての難関の1つです。

英語のYesには、「あなたの言う通りです」という意味はありません。それに対し、日本語の場合はたいがいそういう意味なのです。 Noについても同じで、あなたの言うのは違います、というのが日本語のキモチですが、英語ではそうでなないのです。
英語ではあくまで、話題にされていることについての事実が肯定ならYESだし、否定ならNOなのです。
だから、問いかけの形には関係なく答えられるわけで、むしろ簡単とも言えます。

言われた言葉が
Do you like dogs? であろうと、You like dogs(, don’t you)? であろうと、Don’t you like dogs? であろうと、You don’t like dogs(, do you)? であろうと、答えは一定です。
犬が好きなら
Yes, I do.
だし、好きでないなら
No, I don’t.です。

Yes/No は、相手の問いかけの内容に関わらない、というか、「答えている」ことですらないとも言えるのです。たとえば、次のようなやりとりがありえます。
“I can’t do that…. I’m not confident…” (それはできないよ、自信がないんだ…)
“Yes, you can! You CAN do that. “(できるよ、できるんだよ! )
“No, I can’t….” (だめだよ、できないよ…)

別に聞かれているわけではないのにYesやNoを使っていますよね。

私がかつて旅行に行ったときこんなことがありました。空港の免税店で、日本人のオバサンたちが、このスカーフ欲しいけど現金がないわ、クレジットカード使えるなら買うけど…とヒソヒソ話していました。で、その中のひとりが
「じゃ、私聞いてくる」
と店員さんのところへ行ったのです。そして
“No credit card?”  と聞きました。これは素晴らしいですね、完璧です。シンプルで分かりやすい。ところが店員さんは
“Yes”  とだけ答え、するとオバサンたちは
「やっぱりダメだって」
と去っていってしまいました。後に残ったのは首を傾げている店員さん。

お分かりと思いますが、クレジットカードは使えたのです。店員さんの言ったYesは、クレジットカード使えます、OKです、という意味でした。ですが日本人のオバサンにとっては
「あなたの言うとおり、ノークレジットカード、です」
と聞こえてしまった。双方とも、こんな短いやりとりで、貴重な機会を逃してしまったのです。
この場合はどちらかと言うと店員さんのほうに非があります。面倒がって一言ですませてしまったのが敗因です(基本的に外国の店員はやる気のない人多いみたいです、日本のサービス業は優れている!)。

ですが、日本人も、この店員さんと同じであることが多い。面倒がってというのではなく、むしろ気後れしているだけと思いますが、なにか尋ねられると、YesかNoの一言ですまそうとする。
でもそれは「危険」なのです。


YESとNOは、日本人でも、だれでも、幼稚園児でも知っている言葉と思いますが、実は、大人でも正しく知っている人がものすごく少ないコトバでもあるのです。なまじ「知っている」つもりなだけにかえって厄介です。

Yes, Noの本当の感覚を掴むのは難しい。だからここで提唱したいのは、
普段から、Yes/Noだけで答えないようにせよ
ということです。上記の例で、「こんな短いやりとりで貴重な機会を逃した」と書きましたが、短いやり取りだったから誤解の余地があった(ただしオバサンの質問の仕方は上記のように完璧です、これでいいのです)。店員さんは
“Yes, credit card, OK!“
と言えば良かったのです。

私たちも、長めの答えをすればいいのです。
You don’t like dogs? (疑問文の形を取っているものより、こういう、平叙文で文末を上げて畳み込まれる方が日本人にとってはヨワイ)
と尋ねられて、迷ってしまった場合、とにかく
I like dogs! (またはI don’t like dogs.)と言ってしまえばいい。誤解されようがありません。ついYes・Noを反対に言ってしまってもとりあえず気にすることはありません。そうこうしているうちに、Yes, I don’t.のように否定の内容にyesをつけることのズレた感じが分かってきます。そして次第に、Yes/Noの本当の意味も分かってきて、そうなれば、Yes/Noだけで答えることもできるようになるのです。

It’s not difficult at all, is it? No! と答えてくれることを期待しております。

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